携帯受付中|月〜土 10:00〜18:00(日祝要予約)042-673-2548


紅葉ちゃんと学ぶ、はじめての古物商・第4話
「レシートやアプリの購入履歴を残しておけば、よいのでしょうか?」
許可申請に向けて、営業の基本を学んでいる紅葉ちゃん。今回は、許可取得後に備え、古物台帳などの取引記録について、架空の例を使って確認します。
必要な取引記録には、商品だけでなく、相手方の情報や確認方法も含まれます。記録の対象、項目、記録する時期、保存の方法を、営業開始前に整理しましょう。
紅葉ちゃんは、まだ許可取得前です。本話の取引は学習用の架空の例であり、実際の仕入れを行う場面ではありません。
「購入日と金額は、レシートやアプリの履歴で分かります。それを残しておけば、よいのでしょうか?」
「大切な資料ですが、古物営業法上の記録が必要な取引では、それだけで必要な項目を満たすとは限りません。古物台帳の記入例を見てみましょう。」
いわゆる「古物台帳」は、古物の取引と相手方について、必要な事項を残す帳簿等の記録です。盗品等の早期発見や被害回復に役立つよう、どのような商品を、いつ、誰と取引したかを確認できることが大切です。
通常のレシートには、売主の職業・年齢や、相手方の真偽を確かめた方法まで記載されているとは限りません。購入履歴を保存したうえで、法令上の必要事項がそろう記録を整えます。
根拠:古物営業法第1条・第16条。ここでは、古物商が作成する取引記録を扱います。古物市場主の帳簿とは区別します。
「少額の洋服を仕入れる場合も、必ず記録しなければならないのでしょうか?」
「法令上の記録義務には例外があります。まず、買受けと売却を分け、商品の種類と取引の総額を確認しましょう。」
古物を買い受ける場合、対価の総額が1万円未満なら、相手方確認と帳簿等への記録は原則として免除されます。ただし、書籍やゲームソフトなど、金額にかかわらず対象になる品目があります。1万円ちょうどは「1万円未満」に含まれません。
| 架空の買受け例 | 確認・記録の考え方 |
|---|---|
| 中古の洋服を1点、対価8,000円で買い受ける | 通常の衣類で、この取引の対価総額が1万円未満なら、原則として免除されます。 |
| 同じ相手から中古の洋服を2点、各6,000円で同時に買い受ける | 対価総額は12,000円です。各商品の単価が1万円未満でも、確認・記録が必要です。 |
| 中古の書籍を、対価3,000円で買い受ける | 書籍は少額取引の免除対象から除かれるため、確認・記録が必要です。 |
表の金額は消費税を除いた対価です。「総額」は、1点の価格や月間の仕入れ合計ではなく、取引の対価の総額を確認します。自己が売却した物品をその相手方から直接買い戻す場合等には、別の例外があります。
1万円未満でも対象になる品目には、自動二輪車・原動機付自転車とその部分品、家庭用ゲームソフト、一定の光学的記録媒体(CD・DVD等)、書籍があります。さらに、令和7年10月1日から、エアコンの室外ユニット、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングが追加されました。品目ごとの範囲は、最新の施行規則と警察の案内を確認します。
根拠:古物営業法第15条第2項・第16条/古物営業法施行規則第16条。追加品目の説明:警視庁「古物営業法施行規則の一部改正について」。総額と消費税の扱い:福島県警察「解釈運用基準」第14・3。
売却時の帳簿等への記録は、買受け時とは別に判断します。通常の衣類の売却は、古物営業法上の売却記録義務が免除される扱いです。一方、美術品類、時計・宝飾品類、自動車、バイクなどでは売却時にも記録が必要になるため、商品の区分や部分品の扱いを確認します。
法令上の記録義務が免除される場合でも、仕入れ・在庫・売上を管理するため、商品番号や購入資料と結び付けて履歴を残すと役立ちます。これは事業管理のための工夫であり、すべてを法令上の必須項目として扱うわけではありません。
根拠:古物営業法第16条ただし書/古物営業法施行規則第18条。少額取引でも、未成年者からの買取りに関する規制等は別途確認します。
古物営業法第16条では、次の5つの事項を記録します。売却する自動車の相手方情報など、一部には例外があります。ここでは、個人から中古の洋服を買い受ける場合を考えます。
「商品名だけでなく、どのような商品だったか、誰から仕入れたかも分かるようにするのですね。」
「はい。特徴は、その商品を確認できるように記載します。『洋服1点』だけで済ませず、品目や特徴を具体的に整理しましょう。」
根拠:古物営業法第16条。様式・特徴の記載方法:警視庁「帳簿の様式」。
許可取得後、成人の個人から中古のコート1点を、対価12,000円(消費税を除いた額)で対面により買い受けると仮定します。以下は、項目の考え方を学ぶための例です。
| 項目 | 記載内容の例・考え方 |
|---|---|
| 取引の区別・年月日 | 買受け/20XX年○月○日。実際に取引した日を記載します。 |
| 品目・数量 | 婦人用コート/1点 |
| 特徴 | ベージュ、Mサイズ、前ボタン5個、右袖口に小さな擦れ。ブランド名や品番があれば、確認した情報を記載します。 |
| 相手方の情報 | 確認した住所・氏名・職業・年齢を記載します。見本では個人情報の記載を省略しています。 |
| 確認措置の区分 | 対面で運転免許証の提示を受けて確認した、など、実際に行った法令上の措置に合わせて記載します。 |
この表は、必要項目を説明するための簡略例です。実際の帳簿には相手方の情報等を省略せず、使用する様式に合わせて記載します。確認措置は対面・非対面で異なるため、本例をそのまま非対面取引へ当てはめないでください。
取引額や商品管理番号、レシート・写真等との対応を管理用に追加すると、後から照合しやすくなります。必要な事項と管理用の項目を区別しながら、警察の様式も確認して記録を整えましょう。

「最初は紙で練習して、営業を始めたらパソコンで管理することもできますか?」
「はい。必要事項を記録し、法令に沿って保存できる方法を選びます。入力しやすさと、後から確認・表示できることの両方が大切です。」
表計算ソフトでも、必要事項を満たす記録を作ることは考えられます。ただし、入力しただけで完了ではありません。営業所で記録を直ちに印刷できる機器等を備え、データの紛失を防ぐバックアップも準備しましょう。パスワードや閲覧権限の管理は、相手方の個人情報を守るためにも大切です。
根拠:古物営業法第16条・第18条/古物営業法施行規則第17条。電子記録・印刷の説明:福島県警察「解釈運用基準」第15・1、第15・2。バックアップや権限管理は、保存を支える運用上の工夫です。
記録が必要な取引は、その都度記録します。「週末に1週間分をまとめて書こう」という運用にせず、商品を受け入れたり引き渡したりする取引の流れに、記録する作業を組み込みましょう。
帳簿等は、最終の記載等から3年間保存します。紙の帳簿は営業所等に備え付け、電子記録は直ちに書面に表示できるように保存します。帳簿を使い続ける場合に、各取引から3年経過したという理由だけで古いページを捨てるといった扱いは避け、帳簿等の保存期間を確認します。
根拠:古物営業法第16条・第18条/福島県警察「解釈運用基準」第15。税務等の資料の保存は別の制度です。古物営業法の3年間だけで、すべての資料を処分できると考えないようにしましょう。
「許可を取得した後に慌てないよう、まずは記入例で練習しておきます。申請に向けて、予定している商品の種類や取引方法も整理したいです。」
「はい。営業の流れが見えてきましたね。次は、その計画をもとに、古物商許可の申請準備を進めましょう。」
営業所、取扱品目、必要書類など、紅葉ちゃんの販売計画に合わせて申請準備を整理します。
行政書士オリーブの樹事務所では、予定されている商品・仕入れ方法・販売計画を伺い、古物商許可申請に向けた準備をご案内します。
資料確認日:2026年10月8日。登場人物・会話・記入例は説明のための創作です。具体的な記録義務や方法は、商品・取引内容等に応じて、営業所所在地を管轄する警察署等へ確認してください。