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紅葉ちゃんと学ぶ、はじめての古物商・第2話
「自分で買った物を売るのに、許可が必要なのでしょうか?」
中古品販売の副業を考え始めた紅葉ちゃん。今回は、警察の公式説明をもとに、不用品の売却と販売目的の仕入れの違いを整理します。
「自分が所有しているか」だけでは、古物商許可の要否は判断できません。購入の目的、商品の流通経路、取引の実態を確認する必要があります。
紅葉ちゃんは、販売したい商品をノートに書き出し、行政書士事務所へ相談に来ました。
「古着や中古のバッグを購入して、販売してみたいと思っています。購入すれば私の所有物になるので、不用品を売る場合と同じではないのでしょうか?」
「購入した物がご自身の所有物になることと、古物商許可が不要になることは、別の問題です。ご自身で使うために購入したのか、販売するために仕入れたのかを確認しましょう。」
愛知県警察は、許可が不要な「自分の物」を、ご自身で使用していた物や、使うために購入したものの未使用の物と説明しています。
さらに同県警察のQ&Aでは、自己使用という説明であっても、実際には転売するために古物を購入して保有している場合には、許可が必要としています。
この公式説明から読み取れるのは、「自分で買った物だから」「不用品として出品するから」という説明だけでは、販売目的で古物を仕入れる営業を、自己使用品の売却と同じ扱いにはできないということです。

| 例 | 古物商許可の考え方 |
|---|---|
| 自分で着ていた洋服が不要になり、売却する | 自己使用品を売るだけなら、許可は不要です。 |
| 自分で着るために購入したが、着ないまま不要になって売却する | 自己使用のために購入した物を売るだけなら、未使用でも許可は不要です。 |
| 国内で中古の洋服を販売目的で仕入れ、利益を得る営業として売る | 原則として、古物商許可が必要です。 |
| 国内で、新品の洋服をメーカー・卸売業者・小売店から販売用に直接仕入れ、利益を得る営業として売る ※使用歴がなく、自己使用・贈答等のために取引されたこともない商品を前提とします。 |
この前提では古物に該当しないため、その新品の仕入れ販売だけを行う場合、古物商許可は不要と整理されます。販売目的であることだけで、古物になるわけではありません。 |
| 国内で、個人が自分で使うために購入した未使用の洋服を、販売目的で買い取り、営業として売る | 使用のために取引された物は、未使用でも古物に該当します。営業として仕入れ販売する場合は、原則として許可が必要です。 |
| 知人から完全に無償で譲り受けた洋服を売るだけの場合 | 古物商許可は不要です。買取り・交換・委託販売を伴う場合は別に確認します。 |
一般的な例です。実際の取引は、仕入れ方法や営業の実態を含めて確認します。出典:千葉県警察「古物商・古物市場主許可について」/愛知県警察「許可・届出の要否の確認」
「まだ使っていない物を売る場合でも、自分で使うつもりだったのか、最初から販売するつもりだったのかが大切なのですね。」
「はい。また、未使用品でも古物に該当する場合があります。出品画面に『新品・未使用』と表示されていることだけで、許可の要否を判断しないようにしましょう。」
古物営業法第2条第1項は、使用済みの物だけでなく、未使用でも使用のために取引された物を古物に含めています。例えば、一般消費者が自分で使うために購入し、未使用のまま手放した商品を、別の人が販売目的で買い取る場合には、未使用という理由だけで古物から除外されるわけではありません。
根拠:古物営業法第2条第1項/福島県警察「古物営業法等の解釈運用基準」第2・1(2)
「知人から無料で譲っていただいた洋服を売る場合にも、許可が必要なのでしょうか?」
「代金や交換する物などを渡さず、完全に無償で譲り受けた物を売るだけの場合は、古物商許可は不要とされています。販売して利益を得ることだけで、許可が必要になるわけではありません。」
千葉県警察は、完全に無償で引き取った物や、引取り側が処分手数料を受け取って引き取った物を販売する場合は、古物商許可は不要と説明しています。福島県警察の解釈運用基準でも、無償又は引取料を徴収して引き取った古物を修理・再生して販売する営業は、「古物を売却すること」のみを行う営業として規制の対象から除外しています。
「無料」という名称だけでなく、取引の実態を確認します。少額でも品物の代金を支払う場合、別の物と交換する場合、持ち主から販売を委託される場合は、完全な無償譲受けとは区別します。また、無償譲受け品の販売とあわせて古物の買取りも営業として行う場合は、許可の検討が必要です。
根拠:古物営業法第2条第2項第1号/千葉県警察「古物商・古物市場主許可について」(無償譲受けのQ&A)/福島県警察「古物営業法等の解釈運用基準」第3・1
新品の通常の流通では、販売するための仕入れと、消費者が自分で使うために購入する取引を区別します。上の表の新品の例は、使用歴や使用目的の取引歴のない商品を、販売用の在庫として直接仕入れる場合を想定しています。古物営業法第2条第1項の定義に基づく整理です。
一方、フリマアプリ等で、個人が自分で使うために購入した物を仕入れる場合は、その物が未使用・タグ付きであっても、同じ扱いとは限りません。販売店が扱う新古品、買い取り品、返品された商品なども、流通経路や取引歴を確認する必要があります。
根拠:古物営業法第2条第1項/福島県警察「古物営業法等の解釈運用基準」第2・1(2)。新品の例は、この定義からの整理であり、警察Q&Aの直接引用ではありません。具体的な仕入れ方法は、管轄警察署等へ確認してください。
「ニュースでは高額な転売が問題になっています。転売はすべて違法なのでしょうか。許可を取れば、どのような販売でもできるのでしょうか?」
「『転売』という呼び方だけで、一律に適法・違法を判断することはできません。また、古物商許可を取得しても、商品の販売に関する別の法律や、利用するサービスの規約まで免除されるわけではありません。」
新品を購入して再販売する行為も、日常的には「転売」と呼ばれます。社会的な議論で使われる「転売ヤー」という呼称は、古物営業法の許可要否を決める法的な分類ではありません。新品の仕入れ販売で古物商許可が不要となる場合でも、購入条件や出品ルール、商品の種類に応じた別の法律の確認は必要です。
ここでは、次の3つを分けて確認します。
買い占めや高額転売が社会的に問題視されることと、古物営業法上の許可が必要かどうかは、同じ判断ではありません。古物商許可の要否、個別の法律上の禁止・制限、利用条件をそれぞれ確認する必要があります。
根拠:古物営業法/文化庁「チケット不正転売禁止法」。規約等は、利用する販売店・サービスごとに確認します。
古物営業法第1条は、盗品等の売買防止や早期発見、犯罪の防止と被害の迅速な回復を目的としています。古物商許可は、この目的のために古物営業を規制する制度です。
福島県警察が公開する解釈運用基準では、営利目的で同種類の行為を反復継続することを「営業」とし、取引の実情に即した客観的な判断を求めています。副業や内職も営業に該当し得るため、名称や売上額だけで許可が不要と考えることはできません。
また、「まず少し仕入れて売ってから、必要になったら許可を取ろう」という進め方は避け、予定する仕入れ販売が古物営業に当たるかを事前に確認しましょう。
出典:福島県警察「古物営業法等の解釈運用基準」第3・1、第3・4(1)

「私は、中古の洋服やバッグを販売するために購入し、継続して出品したいと考えています。不用品の整理とは別に、事業として準備する必要があるのですね。」
「はい。その販売計画をもとに、許可申請に向けて準備を進めましょう。仕入れ方法も含め、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。」
許可の準備とあわせて知っておきたい、仕入れ時の相手方確認について取り上げます。
行政書士オリーブの樹事務所では、予定されている取引内容を伺い、古物商許可申請に向けた準備をご案内します。
資料確認日:2026年10月8日。登場人物と会話は説明のための創作です。具体的な許可の要否は、商品・仕入れ方法・営業の実態によって異なります。判断に迷う場合は、営業所所在地を管轄する警察署等に取引内容を説明して確認してください。